かたちや色で分けてみようゲーム
Shapes game
エピソード
エピソード11歳〜 5歳児までどの年齢でも。(3・4・5歳児クラス)
「かたちや色で分けてみよう」の遊びは、幼児クラスの子どもは、特に、形ごとに図形を分けてひとりで集中して遊ぶ姿が多いようだった。一方、乳幼児の子どもは、種別に分けるのではなく、形に関係なく土台に差し込んで遊んでいた。年齢に応じて遊び方に差異はあるものの、1歳児~5歳児まで、幅広く、どの年齢の子どもも共通して、型をはめて遊んでいる姿があった。幼児の場合、(ダイヤ、や台形など)複雑な形の名前を述べながら遊んでいた。他方、乳幼児の場合は、型を棒にはめることを集中して楽しみ、より長い時間、遊びに向かっているようだった。
エピソード2リハビリにもなるマテリアル(1歳児クラス)
1歳児のZちゃんは他の子が「かたちや色で色分けしてみようゲーム」で遊ぶ姿を見て興味をもち遊び始めた。保育士が「Zちゃん、形がわかるのね」と声がけすると「うん」と頷き形別に棒に分けて差し込んでいた。Zちゃんは脳梗塞を患い右手が少し動かないため、これまではあまり右手を使わずに遊んでいることが多かったが、この玩具では積極的に右手を使って遊ぶ姿が見られた。この玩具で遊ぶようになってからは、右手を使って遊ぶことが増えたという。保育士は、Zちゃんにとってこの玩具が右手のトレーニングになり、リハビリになると述べた。
棒に入れた形を指で弾くと、くるくると気持ちよく回るためか、他の子達もこのあそびを好んでおり、遊びながら形に興味を持っていることも見受けられる。
同じ形が7個あることから、集めることも達成感があり楽しんでいるようだった。
エピソード3「いらっしゃいませ。クッキー屋さんです。」(2歳 男児)
2歳児Mくんはタッパーいっぱいにいろいろな形のピースを詰めて「かたちや色で色分けしてみようゲーム」で遊んでいた。そのうちに、Mくんは、その形をクッキーに見立てて、「いらっしゃいませ。クッキー屋さんです」と話し始め、保育者がお客さんとなり、30分以上も続けてごっこ遊びをするやり取りが見られた。(以下抜粋。)
保育者のE先生が、「何の味がありますか?」と答える。
M:「いちごの味がありますよ」
保:「じゃあ、丸いいちごのクッキーをください」
M:「はい、これです」とタッパーごと保育者に渡す。
保:「あら、1枚だけでいいです」
M:「これ、全部です」
保:「セットしか売っていないのですか?」
M:「わかりました」とタッパーの中から赤い丸の形を1枚取り出し、保育者に渡す。再び、「クッキーはいかがですか」と発言する。
保:「クッキーセットください。100円でいいですか?」
M:「ありがとうございます。」とお金を受け取るふりをする。(保育者が、別の子どもに呼ばれ、別の机に移動する。)
M:(保育者との距離ができたが、それでも保育者の方を向き)「クッキーセットありますよ〜」と呼びかける。
保:「Mくんのママにプレゼントしたいです。ここまでデリバリーしてもらえますか」と返答する。
M:(タッパーを持って、保育者がいる机まで持っていく。)「はい、お待たせしました」
保:「ママへのプレゼントなので、おリボンをつけてもらえますか」とMに尋ねる。
M:(リボンをつけるふりをし、)「できました」と保育者に渡す。
保:「じゃあ、ママにプレゼントするね」と伝える。
M:(うんと諾き、)「いちご味、チョコレート味もありますよ」とクッキー屋さんを再び続ける。
Mくんは、ラーニングマテリアルが好きで、特にE先生とのやり取りを楽しんでおり、完成する作品をその都度、E先生に見せる場面があった。今回は、とりわけ、言葉のやり取りと語彙が増えていた。もちろん、本人の発達が進んだという側面もあるが、ラーニングマテリアルで遊ぶことを通じて獲得できた効果であるとも保育者は語っていた。
エピソード4ビーズの紐通し、としても遊べる(4歳 男児)
4歳児のYくんは仕様書通りの遊び方をしていたが「これは丸、これは三角、これはダイヤ」などと話しながら形を確認していた。そのうち、「これはね、何だと思う?アイスクリームのコーンの部分なんだよ」と話す。
しばらくすると、「見てみて、これはゆで卵。美味しそうでしょう」と言い、形を食べ物に見立て、保育士に伝えることで自分の考えを他者に共有していた。
エピソード5「これ冷えピタなの」(未満児クラス)
「かたちや色で分けてみようゲーム」は、形や色で分ける遊びのほか、ままごとなどに用い、見立て遊びにして遊ぶことが多いようだ。この日も長方形のピースを出し、「これ、冷えピタなの」と自分の生活経験の中で体験したことを表現するような場面も見られた。
一方B園では、形を重ねて、サンドイッチやハンバーガーを作ってお店やさんごっこをしているという。
また、イベント時の借り物ゲームに使い、例えば「赤い丸と緑の三角形と黄色い✖︎を持ってきてください。」などと、形を意識しながら、失敗しても笑顔で楽しめる雰囲気でゲームを楽しむなど、様々な遊び方で趣向を凝らす様子が見られる。